サステナブル・ストーリー・プロジェクト第3弾:2020年オリパラ、そして2030年:2020年を起点に考える未来【開催レポート】


持続可能な開発目標(SDGs)に関連した個別課題を取り上げ、「続く社会」を考える「サステナブル・ストーリー・プロジェクト」。第3弾となる今回は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを取り上げました。

2020年は東京オリンピック・パラリンピック開催。開催に先駆け、各地でオリパラに関わる様々なイベントが開催されています。同時に、国際的な流れで考えた時、2020年はSDGs施行から5年という節目の年であり、2030年までの各ゴールの達成のその程度が改めて問われることになります。東京大会では、「ホストタウン」が世界で初めて設定されることで、東京の一極集中イベントとしてのオリパラではなく、各自治体もオリパラ参加国との交流を通じて、インバウンドの受け入れやそれに伴う対応が必要となることになります。

今回のイベントでは、オリンピック・パラリンピック、そしてまだ聞きなれない「ホストタウン」を切り口に私たちが2020年にどういうポイントを考え、行動すべきか、考えるきっかけを提供するキックオフイベントとなりました。会場は100名の応募をいただき、最終的に登壇者、スタッフを入れ80名以上が参加する、にぎやかなイベントとなりました。

イベントではまず初めに共催団体の地域創生プラットラームの塚田さんよりホストタウンとは何かご紹介いただきました。2020年の東京大会で初めて導入される「ホストタウン」は、事前のキャンプ地ではなく、地域と相手国の交流を中心とした「事後交流型」の取り組み。2020年はあくまで通過点となるのが特徴であり、すでにホストタウンとして受け入れを表明する自治体も多くあります。

その説明を受けたのちに、今回複数の省庁関係の方より受け入れに当たってのいくつか提案をいただきました。トップバッターの農林水産省の福田さんからは「SDGsの概念を導入することで、これまでのマイナスであった飢餓や環境問題といった食に関する課題が、多様な個への対応やより豊かな食生活へのプラスの意識へ変わること」、そしてテクノロジーの発展による私たちの未来の食卓の変化の可能性が指摘されたうえで、その地域ならではの美味しいものを人と囲む食卓をどう作るのか、という課題提起がありました。また、外務省の鷲見さんからは世界の感染症、そして日本でなじみのない女性性器切除(FGM)などの疾病の紹介の上にゲスト国の保健課題をどう理解し、緊急時に対応するか、その重要性が提起されました。

国立近代美術館の神代さんからは、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で初めて「文化」というキーワードが出たことが指摘されたうえで、文化の多様性に私たちはどう向き合うのか、という課題提起が、そして最後の国土交通省の一言さんからは環境投資と公共空間の活用の可能性について、特に公園をこれまでと異なる、民間企業による活用やイベントの場としての可能性など、これまで公園の使い方で考えてこなかった方法について、提起をいただきました。

イベントでは4名の基調講演ののち、各スピーチに対して市民社会、民間企業からのコメントが提起されました。

福田さんへのコメントについてはオーガニック・ビレッジ・ジャパンの種藤さんから有機農業との関係、また更に一歩進めた農業への期待への問いかけがなされました。鷲見さんへのコメントに対しては、Malaria No More Japanの水野さんより20の都道府県へ電話し、蚊媒介性感染症対策について問い合わせたところ、2014年のデング熱の国内流行から3年たち、現在対策を取りやめた自治体が多いこと、しかし今後インバウンドの増加により感染症の拡大の可能性があることは指摘されました。

文化の交流については開発教育協会の中村さんより既に日本国内には移民が多く存在すること、オリパラをきっかけに、すでに国内に存在する「異文化」をどう受け入れ、包摂するかの課題提起がなされました。

また最後に登壇した新産業文化創出研究所の廣常さんからは、街を公共空間としてとらえ、いかに町のブランディング化をするかについて意見が出されました。

登壇者が盛りだくさんなこともあり、会場での質疑応答ができなかったのですが、今後今回提起された課題に対し、SDGsジャパンではさらに掘り下げ、考えるきっかけを提起したいと考えています。

イベント概要

  • 日時:2018年6月29日(金)18:30-20:30(受付は18:00~)

  • 会場:3×3Lab Future (東京都千代田区大手町1-1-2 大手門タワー・JXビル1階)

  • 主催:一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)

  • 共催:一般社団法人CePiC(みんなの地球公園国際コミュニティー)、RRPF(地域創生プラットフォーム)

  • 協賛:三菱地所

  • 司会:SDGsジャパン業務執行理事 長島美紀

TIME SCHEDULE

18:00 受付開始

18:30 開会挨拶(SDGsジャパン・イベント趣旨説明)

18:35 「ホストタウンとは何か」(RRPF塚田佳満)

18:45 KEY SPEECH 「オリパラ課題①:食と農業。持続可能な農業と食とは」

      農林水産省大臣官房国際部国際地域課 課長補佐 福田かおる

19:00 KEY SPEECH 「オリパラ課題②:世界の感染症を理解する。日本での対策とは」

      外務省国際協力局地球規模課題総括課国際保健室長 鷲見学

19:15 KEY SPEECH 「オリパラ課題③:人材交流。文化交流は2030年にどんな意味を持つか」

      文部科学省東京国立近代美術館長 神代浩

19:30 KEY SPEECH 「オリパラ課題④:公園。みんなと考える公共空間のこれから」

      国土交通省都市局都市計画課課長補佐 一言太郎

19:45 DISCUSSIONと質疑応答 「2030年の日本の予測とオリパラの意味。一過性で終わらないために」

モデレーター

  • 一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク 新田英理子

コメンテーター

  1. 一般社団法人オーガニック・ビレッジ・ジャパン 種藤潤(食と農業への回答)

  2. 認定NPO法人Malaria No More Japan専務理事 水野達男(感染症対策への回答)

  3. 認定NPO法人開発教育協会(DEAR)中村 絵乃(人材交流への回答)

  4. 株式会社新産業創出研究所 代表取締役所長 廣常 啓一(公園・公共空間への回答)

20:30 閉会挨拶(一般社団法人CePiC)

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