【開催報告】5/27(水) SDGsボトムアップ・アクションプラン 2020 発表ウェブセミナー「コロナ時代のSDGs~『誰一人取り残さない』ための市民社会からの政策提言活動~」
SDGs市民社会ネットワーク(以下、SDGsジャパン)が昨年12月から準備をしてきた、SDGs全体に対する政策提言集「SDGsボトムアップ・アクションプラン2020春版」が完成しました。行動の10年、コロナ禍を越え、「誰一人取り残さない」社会の実現について、政策提言について語り合うウェブセミナーを開催。60名を超えるZoomへのご参加と、440名以上の方にYouTubeアクセスをいただきました。
前半は、実際に活動を行っている4名の市民社会メンバーを登壇者として迎え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に必要とされる対策・施策や、この影響を乗り越えて「誰一人取り残さない」社会を実現する手立てについて議論しました。後半ではSDGsの視点を取り入れたCOVID-19対策の重要性を踏まえ、参加者の皆様と分科会の後、全体で意見交換を行いました。
<YouTube 記録動画リンク>(一部を編集しています)
<構成>
日時 :2020年5月27日(水)14時30分〜16時30分
場所 :ZoomでのウェブセミナーおよびYouTube配信
参加費:無料 (本セミナーは一部地球環境基金の助成を受けて運営されました)
主催 :一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)
14:10〜14:30 Zoomの使い方説明会(希望者のみ)
14:30〜14:35 接続の確認
14:35〜14:50 開会挨拶とSDGsボトムアップ・アクションプラン2020のご紹介
14:50〜15:30 登壇者からの発題(各10 分)
15:30〜16:00 グループセッション
16:00〜16:25 全体討論
16:25〜16:30 閉会挨拶
<登壇者(五十音順)>(カッコ内は発題の主なテーマ)※敬称略
稲場雅紀 SDGsジャパン 政策担当顧問(国際・人権/保健)
大西連 自立生活支援センター・もやい 理事長 (国内・貧困/格差)
大橋正明 SDGsジャパン 共同代表(国際・貧困/格差)
三輪敦子 SDGsジャパン 共同代表(人権/ジェンダー)
<議事録>
記録:西田吉蔵さん(SDGsジャパン、フェロー)、星野智子(SDGsジャパン、業務執行理事)
開会挨拶
大橋正明(SDGsジャパン共同代表)
「SDGsボトムアップ・アクションプラン2020」を提出し、政府が作る実施計画に反映していただくための出発点として開催させていただいた。権力を持った人たちの見方と普通の人たちのモノの見方が違うと感じている。貧困、飢え、差別がない状態が平和。積極的平和は武力を持っていると政府は考えている。新型コロナウィルス感染症(以下、COVID-19)でも行政の対応に視点の違いを感じる。
SDGsジャパンでも政府がやることに対して生活者の視点、小さな声、聞こえない声を代弁して政府に求めることが市民社会の役割と考えている。この機会もそのためのもの。今日はよろしくお願いいたします。
SDGsボトムアップ・アクションプラン2020(以下、BAP)の紹介
新田英理子(SDGs市民社会ネットワーク 事務局長)
★BAPデータは以下のドライブからダウンロードが可能です。
登壇者からの発題
稲場雅紀(SDGsジャパン政策担当顧問)
日本ではSDGsとCOVID-19が分けて考えられている。急性的な危機であるCOVID-19についてもSDGsが使えるということをアピールしたい。SDGsは危機の時代の羅針盤である。BAPにおいてもCOVID-19対策にはSDGsを中心に置いている。
緊急提言として、全機関にわたってやらなければやらないことはSDG16(透明性、ガバナンス、参画)の意志決定をすること。マルチステークホルダーでの取組みをする必要がある。誰が何をしているか透明性が必要。不透明なプロセスについて不安がある。
現在、緊急対策が終わりつつある中、命を守ることを最優先にした上で、強くしなやか(レジリエント)な社会をいかに構築するか考える必要がある。COVID-19による在宅を余儀なくされる中で、DVの発生や高齢者へのケアサービスの提供と言った、地域包括ケアシステムが止まっている。どのようにポストコロナの時代を持続可能にするか、元に戻ろうとするより、SDGsを中心に据えた対応が必要。国際的な点では、多国間協力が必要だが、そこでもSDGsを中心に据えることで貢献をするということを伝えていくことが重要。
大西連氏(自立生活支援センター・もやい 理事長)
最近の相談事例としてネットカフェ利用者が路上生活者になったり、仕事が減ったなどの相談が増えている。これまでにCOVID-19関連で400件の面談、1000名くらいの相談を受けている。見えにくい脆弱な環境にいる人たちの現状が見えてきている。解雇・雇い止めは1万件、今後増える可能性もある。DV相談は3割増え、一人親家庭の6割で収入減少。生活保護者申請件数は1.3倍に。融資申請が18万件(2011年時は1年で7万件)
受け皿のパンク状態。新しい公的支援が必要。COVID-19に関わらず必要な支援だったが、これが顕著になってきた。平常時から支援が整えられてなかった。取り残している人がたくさんいる状態
大橋正明(SDGsジャパン 共同代表)
世界の貧困・格差の問題。絶対的貧困は減ったものの、減る割合が遅くなってきている。8億人の貧困解消はとても難しい。現在、格差が拡大しており、1%の富裕層が69億人の富を所有している状況にある。今後、さらに格差が開く状況になることが懸念される。
アメリカのNYではブロンクス(所得が低い層のエリア)で多く感染している。バングラデシュでは3万人が感染。バングラデシュでは若年人口が人口構成に占める割合が高いせいか、死亡率は低いが人口過密なところでの感染拡大が心配。
ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民は、予防接種を受けておらず、人口密度が過密で感染が危ぶまれる。水不足も深刻。元ビハール難民も人口過密。ユニセフは「感染予防に手洗いが大事」と言うが、30億人が手洗いできない環境にいる。バングラデシュではCOVID-19はUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)
の好機だという希望の星でもあるという報道があった。みんなが普遍的に医療にアクセスできるようにしなければならない。
SDG1、2、10を強力に推進しなければならない。SDG17パートナーシップで進めることが重要。日本政府はCOVID-19対策としてODA予算840億円を拠出、そのうちユニセフやIOM(国際移住機関)に11.1億円拠出があるものの、内訳では借款が大半で贈与は少ない。日本のODAのGNI(国民総所得)対比は0.23%。国際目標の0.7%に届いていない。国際協力の指導理念は国際協力大綱。質の良い成長を「すべての人が安心して暮らせる社会」への転換を、人権視点で行われるべき。
三輪敦子(SDGsジャパン共同代表)
パンデミック対応はダイレクトにSDGsの実現と重なっている。これまでも存在した不平等、不正義が、より深刻に表れている。対応には「誰一人取り残さない」人権の視点が不可欠。感染を封じ込めるための対策は、既に周縁化された脆弱な人たちにさらに深刻な影響を及ぼす。
1点目として誰もがケアやサービスを平等に受けられることが大切。UHCは人権の問題でもある。2点目として差別意識や偏見の問題。不安が特定の人へのデマや攻撃に結びつく可能性がある。3点目として市民の自由の過剰な制限。制限は、法的根拠に基づき、差別を伴わず、緊急事態によって必要とされる範囲で厳格に適応されないとならない。人権は空気のようなもの。失って初めて大切さに気づく。
ジェンダーに関連する多くの課題も浮き彫りになった。まず「ジェンダーに基づく暴力」の問題。家族間のストレスはDV等に結びつく。2点目として「性と生殖に関する健康と権利」。中高生の妊娠急増等、心配な報道がある。エボラの事例を考えても、必要とされるケアが後回しになる傾向がある。3点目として経済状況の悪化。女性は非正規労働者の7割を占め、真っ先に影響を受ける。4点目としてケアワークの女性への集中。家族が感染した場合のリスクも大きくなる。そして、特にシングルマザーへの影響は特に深刻。女性については、問題は脆弱性ではなく周縁性。声が上げにくく、届きにくい。感染封じ込めに成功している国の多くは女性がトップであるという事実から学べることは多い。
外務省地球規模課題審議官 塚田玉樹氏からのメッセージ
本日はご挨拶の機会を頂き,ありがとうございます。日頃から,SDGs市民社会ネットワークを始めとする市民社会の皆様には,建設的なご提案をいただき,大変心強く思っています。また,本日ご登壇の稲場顧問,大西理事長,三輪共同代表には,SDGs推進円卓会議構成員として,昨年末の実施指針改定やアクションプランの策定,ジャパンSDGsアワードの選定等に多大なるご尽力をいただき,改めて感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染症という世界的危機は,我々の生活のあらゆる分野に深刻な影響を及ぼし,国内外における不平等を顕在化させています。我々は,今回の危機で露呈した多くの課題を,SDGsの達成の観点からレビューする必要があります。このような状況だからこそ,SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」という考え方にもう一度立ち返る必要があると考えます。
今回作成いただいた「ボトムアップ・アクションプラン2020」に盛り込まれているように,新型コロナ感染症の拡大をきっかけに,生活困窮者や中小零細企業への支援,女性や子供に対する暴力の阻止などを進める必要があります。外務省としても,人間の安全保障の理念の下,UNICEFなどを通じた医療体制が脆弱なアジアの医療システム強化支援,CEPIやGaviなどを通じた治療薬・ワクチン開発のための国際連携をリードします。こうしたコロナ対策を経験することで,UHCの重要性,その達成に向けて努力を弛めてはならないことについての国際社会の理解は一層確かなものとなるでしょう。
新型コロナ感染症の影響で,我々は大きな変化を強いられました。これは痛みを伴うものでしたが,今後,ポスト・コロナの世界において,社会を変革させ,「ニューノーマル」を構築していくにあたり,羅針盤となるものがSDGsです。「行動の10年」の最初の年である今年,コロナウイルスによって奇しくも行動を迫られる年になりました。あと10年でSDGsを達成するため,政府としても,市民社会とのさらなる連携を進めていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。
グループディスカッション
★数名のグループに別れてSDGsとCOVID-19について議論いただきました。
ディスカッション後、グループ代表者からチャット投稿。全体討論にて6グループからご発表。
Zoomチャットに投稿いただいた内容は本ページ最下部に記載。
<議論テーマ例>
1. COVID-19は、世界のどんな脆弱な人びとをあぶり出しているか?
2. コロナ時代の国際協力のあり方について
3. 患者中心の社会のあり方を実現するとは?
4. 緊急事態宣言が解除後、透明性が高く説明責任を果たせる政策を作るには?
5. 県境を閉じる考え方や逆転現象が起こらないためには?
6. パンデミックを乗り越え、SDGsを達成するための政策・施策・視点・変革・政策提言
①人権の視点から ②ジェンダーの視点から
7. 国内の貧困について、取り残されている人を支えるために私たちができることは?
全体討論
(ご参加者の発言部分は、匿名による文章でのご報告に代えさせていただきます)
1)(参加者A)
報道の透明性や、政治の不透明性について話した。
外国人労働者の話など。日本社会には居ても放っておかれることがある。人権が守られていない。コミュニティから達成していくことが大事。日本にいる外国人が支援されていない側面がある。グローカルが大事。言葉の問題や差別のことが出された。若者としても建設的な対話をしていきたい。
2)(参加者B)
国際政治における各国の分断への懸念。オンラインで東京集中が物理的には避けられるが、一方でオンラインへのアクセスの課題もある。誰一人取り残さない形でのSDGsの取り組み方を模索していく必要がある。
3)(参加者C)
政策提言やジェンダーにフォーカスした話をした。コロナ禍においての対応には自治体ごとに個性が出る。国も同じ。自治体や政府が方針を示すのは大事だが、学校が自治的な判断ができないと、そこで育った子ども達も自治的な思考ができなくなるのではにないか。SNSのルールが整備されていない中で、SNSが人権侵害の場となっている。人権への課題など考えるいいきっかけになればと話した。
4)(参加者D)
子ども達の課題。2019年に起きた長野県のの水害後にCOVID-19が起き、学校に行けず、親も困っていた。平時でも問題になっていたDVなどの問題が今回のCOVID-19とそれに伴う在宅・自粛の中で突出した。現場でどうなっているか見えていない。障害を持つ方や声を上げられない方のためにNPOが動いていかないとならない。農業も活動が止まる中で来年の食料がどうなるか、情報収集したい。
5)(参加者E)
子ども食堂について。運営できなくなった現状。弁当配布しても取りに来られない子どもがいた。子ども食堂の運営支援は申請すれば受けられるが、現場の声が届いていなければニーズが分からず、支援を受けられないという現実もある。国連機関や民間の資金を活用できたらと話した。
6)(参加者F)
連携のあり方が話題に。他人事だったことが自分ごとになったのがCOVID-19。
平時から次への対策のために市民の参加と対策をしないとならない。
7)稲場雅紀(登壇者)
慢性的な危機の問題は、急性的危機が連鎖して起こる。急性的危機の原因とどう向かうかという点でSDGsを活用したい。専門家会合は医者・医療専門家のみ(後に経済学者が追加)。社会問題としての専門家が入っていない。感染症対策だから医者がやればいい、ではなく、ガバナンスを忘れない。参加型・透明性・説明責任をSDGsを据えて考えるSDGゴール16、17が重要。
8)大橋正明(登壇者)
ODAと同様の開発思想が経済中心になるという状況が日本でも起きている。病院の私立化が進み貧困層がアクセスできなくなる現状がある。どういう思想でモノを考えているかを注意深く見ていかないとならない。
閉会挨拶
三輪敦子(SDGsジャパン共同代表)
関西NGO協議会の総会で、阪神淡路大震災がきっかけでできたCODE(海外災害援助市民センター)の話を聞く機会があった。ロックダウン下の武漢で、中国の市民がいかに支援の輪を拡げたか。医療従事者でなくてもSNSを駆使して様々な支援をおこなった。「つながること」で「私でいられる」「私を感じられる」ことを実感した。連帯と共生の大切さということでもある。
しかしながら、今後、どう進んでいくかは注意が必要。コロナ以降の社会の価値を創造するためには市民社会の知見や視点が重要。利益と効率を最優先に考える新自由主義的な政治や経済、企業のあり方を変えない限り、ニューノーマルの未来は心配なものになるのではないか。コロナ後に、あの危機はチャンスでもあったと思えるようになれたら。ジェンダーを始めとする一人ひとりの人権と平等、包摂的な社会保障、公正な経済システムと税制、持続可能な消費と生産など試されている。
5月23日付朝日新聞朝刊でSDGsジャパンを取り上げていただいたが、その際の「コロナ危機 理念を力に」という見出しは、まさしく私たちが伝えたいメッセージ。SDGsという理念を力に、そして理念に裏打ちされた理想と希望を力にコロナ後の世界を構想したい。平和で公正で持続可能な社会を作るための大きなチャレンジでもある。皆さんと一緒に変革の道筋を作っていきたい。
ZoomとYouTube合わせて合計500名近くの皆さんの参加ありがとうございました。
グループディスカッション(zoomチャットでの投稿内容)
9)見えていない人が見える化される仕組み構築。
ー政府とローカルコミュニティがつながる、パートナーシップ
10)
・透明性→報道。どこで誰が話し合っているのか。日本の政治の在り方。不透明
・外国労働者。報道されていない。相談されていない
・外国人→いるが、社会の一員でない。万が一の時にほっとかれる。情報弱者。官僚が外国人向けに情報を伝えるのが下手。日本に貢献しているから、人権を守らないといけない
・「ボトムアップアクションプラン」→すべての人々にわかりやすいように。本当の意味でのボトムアップ。
・コミュニティからSDGsを達成していく
・ローカル→グローバル。外国にいる外国人は支援するが、日本にいる外国人は支援しない。「グローカル」が大事
・外国の方を雇う時、言葉の問題→差別。でも、日本で働く外国の方はすごく優秀。もっと評価されるように
・若者たちの間でもアフターコロナ、Withコロナを会話しているコロナが起きてしまったことは仕方ないこと。若者としても、これからのことについて建設的・創造的な対話をしていきたい
・外国の方も含め、COVID-19で影響を受ける社会的マイノリティの受け皿をどうつくるか
11)コロナの時代で分断が広がる恐れ、非接触でコミュニケーション力によって情報量の格差が広がり、SDGsの浸透に課題が出てくるのではないか、弱者の声が届きにくくなるのではという問いが投げかけられた。それに対し、逆に地方からの発信や参加がしやすくなるという面があり、非接触時代のメリット、デメリットをいかした課題の共有の方法を探ることが重要であるという結論になりました。
12)
★自治体のトップによってリーダーシップ、メッセージ発信が異なる
・千葉市長が毎日発信
意思決定している背景・経緯をしっかり話している
ツイッターの声も出来るだけ拾おうとしている
・コロナ禍で政治不信が募った
★自治体の長や政府が方針を示すことも重要だが、意外に市民がそれに左右されてしまう
公的な動きに左右される(休校判断など)
学校の自治的な判断ができない⇒その環境で育ったこどもたちが自律的に考える力が身につくわけがない!
オンライン授業の試行⇒トライアンドエラーをよしとしない、失敗が許されない、行動すると叩かれる、同調圧力
★匿名SNS、パブリックな場でのルールが全世界的に未整備
公権力がルールづくりをすると権利が侵害されることも。人権と表裏一体
コロナ禍が様々な課題、人権問題に気づく機会になればいい。
13)
終業式ままならないまま。
1年生も宿題出されてもどうしたらいいかわからない。保護者がどうすれば。
(長野水害後)
保護者、家庭でお母さんがイライラしてしまう。
コロナ後の子ども対応 SDG16.2
つながっているから取り組みにくい?
SDGsは慢性危機、コロナは緊急危機対応?
平時と切り離すのか? →そうでない方に
平時の問題が表出した話は現場でも聞く。
緊急時に強く表れる。例えばDVなど。
通常時に社会課題に対応している団体は、緊急時により早く声をあげられる
シングルマザー支援など。
障害を持っている方も。特に女性も声があげにくい。緊急時より上げられなくなるので、アドボカシー活動が起こった。
知らない人にどうアプローチするか。
ネパールなど外出強制自粛。来年食べるものがなくなるのではないかという心配が出てきている。
14)
特にトピックを決めずに幅広く議論。
コロナで経済停滞で、困っている人が増えた。
企業保持をしないと、より困る人が増える。
優先順位をどこに置くかが重要。
苦しんでいる人達の声が政治中央に届かない。
政府に提言しても、それが実現されない。
日本を見て、世界を見て行く必要がある。
NGOはコロナ禍でも草の根の活動を地道にしていくことが必要。
15)
子ども食堂の現場では、運営ができなくなった。弁当配布なども試みたが、来れない子どももいた。そういった子どもたちの数を把握できず、課題の定量化もまた課題となっている。現場では、目の前の子どもしか見切れずにいるためか、政府支援と現場との乖離を感じる。このギャップを埋める機能を作る必要があるのではないか。
16)
種子法もそうですが、種苗法の件きちんと整理したほうがいいです。
17)
●コロナ以前、グローバリゼーションの進展。モノの移動、人の移動が進むなか…災害、大きなイベントが起こらないと、自分事にならない。予防はなかなか自分事にしてくれない。全世界的に広がった。事象は大変だが、SDGsの理念を展開している契機になっていくのではないか。
●4人の方のお話を聞いて、コロナを契機に、社会問題を考えさせられたが、しかしあまりに広く、大きく、複雑で…実際に解決策についてピンとこない。
自治体はコロナの応急対策に追われており、元々、SDGsに仕事で関わっているが、SDGsすら止まってしまっている。
稲場さんからのSDGsを指導理念にするべきとあった。これは本当だが、それができていない。
平時の時からの対策がとれていなかったことが最大のポイント。
●感染症は、誰一人取り残さないと解決しない課題であり、ホームレスの方の保健衛生が感染の広がりになったり、途上国の苦境が日本に影響を及ぼす事態となっている。
そこで、自粛警察のような異質排除型にならず、多様な市民の取り組みが相互に連携することが必要。
大阪でも関西NGO協議会と大阪ボランティア協会などが連携して共同の募金サイトを構築と国内も海外もサポートするプラットフォームを構築した。このような取り組みが必要だと思う。
●結核についても、釜ヶ崎や寿での保健所の長い取り組みがあった。今後、保健所だけではなく、NPOともつながりを太くしていくことが大切。
保健所にお任せすれば良い、地域包括支援センターに任せれば良い…というわけではなく、地域には病院も、学校もある。学校でもこの事態について地域の状況を学び対策をとっていくことが大切だ。
無知のままだと、排除になりかねない。知ることが大切だ。
コロナウイルスを共通の敵とし、共通の目標をもって相互にコミュニケーションをとっていくことが必要だ。
●自治体の中には、備えができていなかった中で、当面の対応に追われている。人的マンパワーも不足。我々のもっている資源の集中投下も分かるが、次にどう備えるかが重要。
市民を参加にして…という形にはなっていない。
●全てが新しいところからだと大変だが、他の自治体の取り組みを学び、結核の歴史のような実績をふまえ、市民協働部局だけでなく広く連携が必要だ。
18)
結果を求めるのであれば、主張するだけでなく相手を動かすことが大事。政府・民間企業のトップに、客観的な判断基準を丁寧に伝えることが必要であり、市民社会の声を伝えるツールとしてボトムアップアクションプランは有効。市民団体、企業、政府の中でも様々な考え方がある。トップがどういう想いでその行動をとったのかを伝えることが大事。批判するだけでなく気持ちよくやってもらったほうが生産性も上がり良い結果が得られるのでは?また人権の定義についても議論。地域・年代によっても認識に差がある。部落や外国人の差別の問題ととらえるとできるだけかかわりたくないという意識が芽生える。世界人権宣言にあるよう、各個人の持っている権利という切り口で伝えれば自分事として考える人が増えるのではないか?
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ご参加いただいた皆さま、豊富なアイデア出しとご意見をありがとうございました。
SDGs市民社会ネットワークは、SDGs達成に向けて今後も対話の場を作り、情報発信を続けていきます。
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