4/23 HLPFに関する市民社会と関係府省庁の意見交換会の実施
4月23日、SDGs市民社会ネットワーク(以下、SDGsジャパン)は、「持続可能な開発目標に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)に関する市民社会と関係府省庁の意見交換会」を開催、市民社会から約30名、政府から約40名が参加し、日本のSDGsの進捗をまとめる自発的国別レビュー(VNR)について意見交換をしました。
<HLPFとは?>
2013年に国連総会によって設置され、2030アジェンダとSDGsのフォローアップとレビューを行う主要なプラットフォームを指します。政治的リーダーシップや指針を提供し、あらゆるレベルにおいて全体的かつ横断的に、持続可能な開発の経済、社会、環境の側面の統合を強化し、持続可能な開発の課題に取り組むことを目指しています。
<自発的国別レビュー(VNR)とは?>
VNRとは、SDGs進捗における各国の成功事例や課題および経験を共有し、SDGsの実施に向けてあらゆるステークホルダーが連携して政策が強化されることを目的に作成されるもので、毎年7月に開催される国連閣僚級HLPFで発表されます。日本政府はこれまでに2017年に実施、今回2回目のVNRを発表する予定です。
SDGsを定めた「2030アジェンダ」では、持続可能な社会の達成に向けたフォローアップ・レビューの一環として、国が主導した定期的かつ包摂的なSDGs進捗状況の報告を勧めています(第79段落)。
VNRは2020年までに延べ168カ国が提出しており、2021年は日本を含む44カ国が発表を予定しています。
日本の現状や取り組みの長所および課題を明確にし、今後のSDGs推進のあり方を検討するために、多様なセクターがVNRの作成に参加することが重要と考えられます。
今回の意見交換会では、SDGsジャパンは以下の提言を行いました。
「誰一人取り残さずに」貧困と格差を根絶することがSDGs推進の核であるとVNRに明記すること
SDGsの各ターゲットについて早急に日本として達成すべき数値目標を設定すること
目標値とのギャップ分析を行い、求められる行動や課題を明確にすること
市民社会を含むステークホルダーと共に、モニタリングおよびフォローアップの枠組みと機会を設定すること
地域レベルおよび国レベルでの、市民社会を含むステークホルダーとの対話の重要性をVNRに明記すること
また、多様な市民社会が原動力となっているSDGs達成を目指した実践の紹介と、市民社会の視点でのSDGsの進捗評価を、14分野にわたり専門メンバーから発表をしました。
(発表順)(分野と発表団体)
教育:開発教育協会
防災・減災:創価学会インタナショナル
環境:「環境・持続社会」研究センター
社会的責任:難民を助ける会 / 社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク
ビジネスと人権:「ビジネスと人権」市民社会プラットフォーム / 国際協力NGOセンター
開発:ワールド・ビジョン・ジャパン
保健:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
財源・連帯税:グローバル連帯税フォーラム
国際貿易:アジア太平洋資料センター
ジェンダー:ジョイセフ
地域:ちょうふこどもネット
ユース:持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム
障害:DPI日本会議
働き方:日本協同組合連携機構 / 日本労働者協同組合連合会
市民社会からの提言と発表を受けて、SDGs推進本部事務局を代表して外務省地球規模課題総括課吉田課長は、「今回のVNRの作成プロセスはSDGs達成に向けてこれから取り組むべき内容についても明確にすることができるプロセスであり、VNRを、漸進的に政策を改善させていくツールとして重要だと考えている。様々なステークホルダーとインタラクティブに進めていきたい」と述べました。
SDGsジャパンは7月に開催される閣僚級HLPFに向けて、2017年の市民社会レポートに続き、市民社会からの独自のSDGs進捗評価レポートを作成、発表する予定です。
今後も、市民社会からのSDGs達成に向けて多様なステークホルダーと連携しながら活動を進めてまいります。
<2017年公表した市民社会レポート>:https://www.sdgs-japan.net/toolkit (ダウンロードにあたって登録が必要です)
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