[SDGs Blog]SDGsと人権


SDGsジャパンの事業統括ユニットのひとつ、ビジネスと人権ユニットの幹事団体である、国際協力NGOセンター理事/THINK Lobby所長、ビジネスと人権に関する市民社会プラットフォーム代表幹事の若林秀樹さんにエッセイ「SDGsと人権」をご寄稿いただきました。


※本エッセイは10月27日に発行されたメールマガジン「未来コトハジメNEWS」の巻頭コラム「ミラコト・サロン」に寄稿された原稿を加筆修正いただきました。

※ビジネスと人権ユニットはネットワーク団体「ビジネスと人権市民社会プラットフォーム」を母体とし、ビジネスと人権に関わる領域で活動しているNGOが集まるユニットです。

 

今、世界では「人権尊重」の波が押し寄せています。


これには様々な要因があります。もともと国連は、国連憲章第1条にあるように、「人権及び基本的自由の尊重」を目的に設立されていました。1993年には「世界人権会議」が開催され、1997年には、当時のアナン国連事務総長が提唱した「人権の主流化」、つまり、「人権の推進は 国連のあらゆる主要活動とプログラムに統合されるべき」 (国連改革計画)がその後の大きな流れを作りました。


この流れはビジネスの分野でも同様です。2011年に国連「ビジネスと人権に関する指導原則」が採択され、企業における人権に配慮した取り組みが進行中であり、人々の人権に対する意識も変わりつつあります。


一方で、SDGsの本質が「人権の実現」であることは、意外と語られていません。SDGsの17の目標と169のターゲットの中に、「人権」の文字は1か所しかありません。しかし、SDGsの17のゴールが含まれる、国連文書「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」には、「誰一人取り残さない」という象徴的な文言に代表されるように、「すべての人々の人権の実現と基本的な自由の尊重」、「人権を保護しジェンダー平等を進める」、「世界人権宣言や国際人権諸条約に基礎を置く」、「ビジネスと人権に関する指導原則」など、人権という文字を30か所あまり見つけることができます。


何故SDGsには「人権」の文言が含まれないのでしょうか?


これは、すべての「持続可能な開発目標」を達成すれば、SDGsが目指す「人権の実現」が達成されるからであり、したがって「SDGs」の目標自体に「人権」を入れる必要がないからだと考えられます。


SDGsの各目標が具体的にどのような人権と関連しているかは、国連人権高等弁務官事務所作成の一覧表があるので、ぜひご参照ください。(ヒューライツ大阪が和訳)


その一覧表にもとづいて、お馴染みの17の目標にどのような「人権」が隠されているのか、図に示してみましょう。それぞれの目標には、国際的に確立された人権基準があり、現在は、これらの人権が侵害されている状態にあり、これらの人権を回復、実現させることが、SDGsの達成であることが分かります。人権と組み合わせると、いつもと違ったSDGsの取り組みの視点が見えるのではないでしょうか。