[SDGs Runners] ACE

SDGsジャパン会員団体のSDGs達成への取り組みを紹介するSDGsRunners。正会員団体である特定非営利活動法人ACEより同団体のSDGsの達成に向けた取り組みについてご紹介いただきました。

 
SDGsへのACEの取り組み

認定NPO法人ACEは、「子ども、若者が自らの意志で人生や社会を築くことができる世界をつくるために、子ども、若者の権利を奪う社会課題を解決する」をパーパス(団体の存在意義)に掲げ、児童労働の撤廃と予防に取り組む国際協力NGOです。


ガーナのカカオ生産地とインドのコットン生産地で危険な労働から子どもたちを守り、日本では児童労働の問題を伝える啓発、政府や企業への提言、ネットワークやソーシャルビジネスを通じて児童労働をなくすための活動を行っています。



児童労働撤廃は、SDGs目標8「ディーセントワークと経済成長」のターゲット7に含まれています。他の目標より5年早く、「2025年までの児童労働撤廃」が掲げられていますが、2021年に発表された「児童労働の世界推計」では、2000年に推計が始まってから減り続けていた児童労働者数が初めて増加に転じました。世界の子どもの10人に1人、1億6000万人が児童労働に従事しています。この中には、日本など高所得国の児童労働者160万人が含まれています。



新型コロナウイルス感染症の影響で、世界的に貧困が拡大しています。貧困が1%増加すると、児童労働が少なくとも0.7%増えるという予測もあります。児童労働は、危機的状況に家族が対応するための手段となりうるのです。学校の休校や不十分な社会福祉サービスによって、多くの子どもが働かなければならなくなっています。


このような厳しい状況のなか、SDG8.7の目標達成まで、あと3年もありません。児童労働をなくすためには、貧困、教育へのアクセスと質、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)などさまざまな分野の課題について、政府、企業、学校、地域、家庭などさまざまな立場の人たちが協力していくことが必要です。そのため、ACEの活動は、SDG8.7だけでなく、他の目標にも関連しています。


目標8 働きがいも、経済成長も


ACEの取り組み

児童労働をさせない、見守る体制をコミュニティづくり


ガーナのカカオ生産地(2009年~)とインドのコットン生産地(2010年~)で、児童労働削減・撤廃・予防するプロジェクトを実施しています。コミュニティの人たちの力で、コミュニティの子どもたち全員を児童労働から守り、義務教育を終了できるようにする体制づくりを基盤としています。これまでに1694人を児童労働から解放し、約1万5000人の教育を支援しました。また、日本にも存在する児童労働については、予防のための啓発資料(中学生用、高校生用、おとな用)を作成し、全国の学校、少年院・少年鑑別所、青少年センター、フリースクールなどに配布しています。


目標4 質の高い教育をみんなに


ACEの取り組み

地域のチカラを推進し、無償で質の高い教育を実現


教育環境を整備することは、行政の責任です。ガーナやインドのプロジェクト地では、コミュニティの子どもやおとなが学校環境改善のために行政に働きかけることを支援し、校舎の増設や教員の増員などを実現しています。


目標1 貧困をなくそう


ACEの取り組み

農閑期も安定した収入を実現し、必要な社会保護へのアクセスを確保


農業技術や家計管理の研修、小規模ビジネス開始(無利息融資や職業訓練)などを通して、児童労働に頼らずに家計が成り立つように支援しています。また、社会・雇用保障制度など行政の社会福祉サービスの情報の提供や申請のサポートなどをして、家庭の経済状況改善を図っています。


目標2 飢餓をゼロに


ACEの取り組み

小規模農家を支援し、企業との連携で地域の農業のあり方を転換



インドのプロジェクト地で児童労働がなくなったコミュニティでは、日本企業と地元農家によって大量の農薬を使うコットン栽培をやめてオーガニックコットン栽培へ転換するプロジェクトが行われています。通常のコットンより高い価格で販売できるだけでなく、コットンを栽培している畑で安全な食料も生産でき、土の本来の力を活かす持続可能な農業のサイクルを生み出しています。


また、ガーナでは公立学校での給食支援やインドではACEのプロジェクトで運営している補習学校での給食提供によって、子どもたちが栄養のある食事をとれるように活動しています。


目標5 ジェンダー平等を実現しよう


ACEの取り組み

女性差別と児童婚を防ぎ、職業訓練を通じて女の子をエンパワー



インドのプロジェクトでは、教育の機会がなく義務教育年齢を過ぎた女の子たちに、基本的な読み書き・算数、縫製・刺繍の職業訓練を行い、収入が得られるように支援しています。また、女の子への差別や児童婚などの問題について話し合う啓発・エンパワーメントも行っています。この女の子たちが、意志に反して結婚させられそうな友達の親を説得して児童婚を防いだこともありました。


目標12 つくる責任 つかう責任


ACEの取り組み

企業も消費者も、児童労働撤廃に貢献できるビジネスのあり方へ転換

チョコレートの原材料であるカカオ豆の8割を日本はガーナから輸入しています。そこで、児童労働がないチョコレートの販売と消費を促進しています。消費者が購入したチョコレート商品の売り上げの一部が企業から寄附され、その資金で児童労働をなくすプロジェクトを実施し、プロジェクト地で採れた児童労働のないカカオを使って日本企業がチョコレートを作り、消費者へ届けるというサイクルを実現しました。21社・ブランドの82点(2021年3月時点)の商品にACEプロジェクト地のカカオが使用されています。


児童労働に加担しないビジネスを推進するため、企業向けの研修やコンサルティングを通じて、特に児童労働を含むサプライチェーンの人権課題に関する啓発、解決に向けたビジネスの創出をサポートしています。そして、消費者には、教材の販売、講師派遣、イベント開催などを通じて児童労働やフェアトレードについての理解を促進しています。


目標16 平和と公正をすべての人に


ACEの取り組み

子どもに対する暴力の撤廃、そして子どもの権利を保障



子どもの虐待は日本で大きな社会課題です。児童労働は子どもへの虐待のひとつとも考えられます。そこで、SDG16.2に掲げられている、子どもに対する虐待、搾取、取引などあらゆる形態の暴力の撤廃について、GPeVAC日本フォーラム(GPeVAC=子どもに対する暴力撲滅のためのグローバル・パートナーシップ)を通して、日本政府によるGPeVACへの加盟や「子どもに対する暴力撲滅行動計画」策定に貢献しました。


また、子どもの権利を保障するために、2019年に「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」を立ち上げ、事務局を務めています。子ども家庭庁の設立、子ども基本法の成立、子どもコミッショナーの創設を実現するため、全国約200の賛同団体とともに活動しています。