(報告)「広がれボランティアの輪」連絡会議 勉強会にインターン生が参加しました。
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3月16日に「広がれボランティアの輪」連絡会議(事務局:社会福祉法人全国社会福祉協議会全国ボランティアセンター)の勉強会が開催され、一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(以下、SDGsジャパン)のインターン生として栗原と淺野が参加しました。
今回の「広がれボランティアの輪」連絡会議では、ボランティア活動を主題として多様な視点からの説明が行われました。これまで自身はボランティアに関わる機会が限られていたため、今回の参加はその実態を具体的に理解する貴重な機会となりました。(具体的なプログラムはブログ下部を参照)
まず印象的であったのは、ボランティア活動の担い手側の多様性です。会の中で、実践報告として、企業、学生、市民団体という異なる立場の3名から活動事例が紹介されました。これまでボランティア活動に対して距離のあるものという認識でしたが、同年代の学生による主体的な取り組みや、民間企業の積極的な参画の実態が示されたことで、その認識は大きく変化しました。特に、当事者の視点から語られる経験は具体的で、強い印象を残すものでした。
さらに、これらの報告や会の中での話を聞くことで、ボランティア活動を続けることの必要性を感じました。サントリーホールディングス株式会社(以下、サントリー)須崎渉さんから「会社としてボランティア活動を行っているが、実際に参加している社員は国内に2万人程度いる中で数百人」というお話がありました。しかし、限られた参加の中でもボランティア活動は多岐にわたっていて、社員に対して常に活動参加の機会を提供していることを知りました。会の中で、認定特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会(以下、JVCA)事務局長後藤麻理子さんから「ボランティアを巡っては、体験活動や単発での参加など、気軽さが安心となって人々の参加への後押しになっている」現状が示されました。これを踏まえると、サントリーのように人々に常に参加の機会を開いておくことがボランティア活動の維持に有効であると捉えられます。そのため、企業や市民活動団体などがいつでも社会の身近な存在としてボランティアの実践を続けていくことは大切だと感じました。
一般社団法人環境パートナーシップ会議(以下、EPC)の江口健介さんからは、環境の視点から見たボランティア活動の概観に関してお話がありました。「経済合理性と環境保全が天秤にかけられ続ける状況」に触れられ、環境保全の営利目的の手段化、市場化への危険性が示されました。環境の保全は日本のSDGs活動においても今後特に考えていかなければならない分野です。環境保全活動が私たちの生活基盤を守ることにつながることを理解し、積極的に啓発していく必要性を感じました。
インターン 栗原翔太郎
今回の勉強会は「今日的なボランティアの価値を伝えていくために〜私たちにできること〜」というテーマで、ボランティアに参加する人を増やしていくための様々な方法や考えについて学ぶことができました。私は地元で市の主催するイベントの運営のボランティア活動をしていて、よりよい広報・集客の方法について考える機会が多かったので、ボランティア参加者を増やすというのはすごく新鮮でおもしろく聞くことができました。
一番印象に残っているのは、国際ボランティア学生協会の高橋芽生さんがボランティアに参加した動機についてです。被災地での活動に興味があったものの、学生は大人と比べてできることが少なく、被災地ではかえって足手まといになってしまうのではないかと感じて参加できずにいたのですが、住民の方からのボランティアに対する感謝のことばをきっかけに一歩踏み出して活動できるようになったそうです。
私は、できることが少ないから参加できないと考えてしまうという部分に非常に共感しました。私自身のボランティア活動でも大人たちに比べて何もできていないな、私がここにいる意味がないなと感じてしまうことがありますが、それよりもイベント参加者の様子を見て達成感を感じることのほうが多いです。学生だから力不足なのは当たり前だし、周りと比べて劣って見えることもありますが、できないからこそより多くの人と助け合い、交流する機会があること、視野を広げられること、やりがいを感じられることといったポジティブな側面を重視して、学生のボランティア参加者がより増えていくといいなと考えました。
また、JVCAの後藤麻里子さんが行った基調講演では、ボランティアの役割と価値について再確認することができました。今日、イベントやスポーツでのボランティアばかりが注目され、「非日常の体験」の側面も大きくなっていますが、今一度ボランティアの価値や役割を確認することで、今後の自分の青少年団体への活動に対する姿勢やボランティア活動に対する姿勢をただの体験ではない、よりよいものに変えることができると感じました。
今後は、イベントの集客の仕方やSDGsとボランティアの関係についてより一層知ることができるよう活動していきたいです。
インターン 淺野悠斗
Q&Aコーナー
参加した2人が感じた疑問をSDGsジャパン新田事務局長に聞きました。
Q.一億総中流とはどういう意味ですか。どんな文脈で使われますか。(サントリー須崎渉さんの資料から)
A. 国民全員が自分を中間層だと思っている意識のことです。ボランティアは余裕がある人がやる活動という意識があるが、そうではなく、誰しもにとって身近な存在であるという意識に変えていく、中間層だからやらないという立場をとらないという文脈で使われたのだと思います。
Q.プロボノとボランティアの違いは何ですか。(サントリー須崎渉さんの資料から)
A.プロボノとはラテン語の「Pro Bono Publico(公共善のために)」を語源とした言葉です。プロのボランティアの略称と勘違いされやすいが、そういった意味ではありません。ボランティアの一種ではあるが、自分の専門性を生かせるボランティアをプロボノといいます。
Q.中間支援とはどういう意味ですか。「広がれボランティアの輪」連絡協議会は何をしている団体なのでしょうか。(勉強会全体を通して)
A.中間支援とは、活動したい人と支援したい人をつなぎ、組織の運営相談や情報発信を通じて活動を支える「裏方」の役割です。この役割を全国規模で担うのが「広がれボランティアの輪」連絡会議です。全社協や日本赤十字社など約50の団体が連携し、ボランティアがしやすい社会を目指して政策提言や普及啓発を行っています。個別の活動を直接行うのではなく、日本のボランティア文化を土台から支えるネットワーク組織です。
Q. 自由に活動を選べる市民団体のようなボランティアと、組織や企業に属するボランティアは、ボランティア活動として考えるとどのような違いがありますか?
A. それぞれ大きな違いがあります。市民団体のボランティアは自由度が高く柔軟に活動できる一方、企業・組織のボランティアは参加しやすく安定性があります。一方で、企業ボランティアは組織の活動として認識されやすく、市民団体とは評価が異なる場合があり、また市民団体も活動の規模によっては参加のハードルが高くなる点に違いがあります。
Q. 若い人々にとって、短期間で気軽に参加できるボランティアが増え、参加のハードルは下がっているが、このように活動が単発化していく流れは良いといえますか?
A. どちらともいえません。若者にとっては、短期ボランティアの増加により、活動が身近になり、参加の機会が広がるメリットがあります。一方で、活動が単発化すると継続性が失われ、社会課題への理解の深化や効果が限定的になる可能性があります。そのため、単発での参加をボランティアの入口としつつ、継続的な活動も維持することが重要です。
Q. 協働や人と組織のつながりなどの点で、SDGsジャパンは、組織としてボランティアコーディネーター機能があるといえますか?
A. 部分的にいえます。ボランティアコーディネーターには、人や組織のつながりを深め協働することを支える、問題を社会に広めて連携を促すなどの役割があります。その点は、SDGsジャパンの活動にも共通する部分で、SDGsジャパンがボランティアコーディネーターとしての役割の一端を担っていると言えます。
Q. 新田事務局長が趣旨説明で説明した、SDGsウェディングケーキモデルと逆三角形のウェディングケーキモデルの関係とボランティアについて教えてください。
A. SDGsウェディングケーキモデルとはSDGsが達成された理想の世界の様子を表すもので、環境資本が土台であり、最も比率が大きいと良いとされます。しかし、現在の日本は、特に環境分野であるゴール13,14,15の進捗が遅れています。一方で、経済の比率が最も大きく、図にすると逆三角形型になり不安定といえます。

以下のSDGsジャパンの作ったケーキの動画もご参照ください。
【プログラム概要】
14:00-14:10 開会
14:10-15:00 基調講演
「変わる社会と変わらないボランティアの価値を考える」
〈登壇者〉
後藤麻理子さん(認定NPO法人日本ボランティアコーディネーター協会事務局長)
15:00-15:05 休憩
15:05-16:20 パネルディスカッション
「私(組織)にとってのボランティアの価値とは何か~実践から見えてくるもの~」
〈登壇者〉
須崎 渉さん (サントリーホールディングス株式会社)
高橋 芽生さん (NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA) 國學院大学3年)
江口 健介さん (一般社団法人環境パートナーシップ会議 マネージャー)
〈コーディネーター〉 田口 努さん (公益財団法人日本YMCA同盟 総主事)
〈コメンテーター〉後藤 麻理子さん(日本ボランティアコーディネーター協会事務局長)
16:20-16:30 全体総括・まとめ
「広がれボランティアの輪」連絡会議 勉強会の資料は以下のウェブサイトより閲覧できます。



















