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「人間の活動が温暖化を引き起こしていることは『疑いの余地がない』」 気候変動に関するIPCC報告書発表

8月9日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1作業部会は、気候変動に関する科学的分析や予測をまとめた第6次評価報告書(自然科学的根拠)を発表しました。



IPCCは、1988年に設立された国連機関で、気候変動に関する科学的な評価を行い報告書を発表してきました。5〜7年毎に作成されてきた評価報告書は、以下の3つの作業部会による報告書とそれらをまとめた統合報告書の4つで構成されています。


<3つの作業部会>

  • 第1作業部会 - 自然科学的根拠

  • 第2作業部会 - 影響・適応・脆弱性

  • 第3作業部会 - 気候変動の緩和

*第6次の第2、3作業部会報告書と統合報告書は2022年の発表が予定されています。


IPCCの報告書は、気候変動に関する世界中の多様な論文をまとめており、国際または各国の政策決定において科学的根拠を示すものとされています。その信頼性は、作成過程の透明性と包括性に起因します。


<今回の報告書の作成プロセスの例>

  • 66カ国から230人以上の研究者が参加

  • 14,000以上の気候変動に関する科学論文を引用

  • 分野専門家から受けた78,000以上のコメントに対応し、すべてを公開


今回の報告書は、人間の活動が温暖化を引き起こしていることは「疑いの余地がない」と初めて断定し、1750年頃から観測されてきた大気中の温室効果ガス濃度の上昇は人間活動が原因と結論づけています。


報告書の詳細は、執筆者の一人である江守正多氏(国立環境研究所地球環境研究センター副センター長)による動画解説をぜひご覧ください。


国内外での気候変動による影響は、貧困層や女性、障害者などの脆弱な立場に置かれた人々により多くの被害をもたらしています。生態系への影響による食糧生産などの産業へのダメージや、リスクの増加が予測される自然災害への防災・減災システムの適応が懸念されています。国際的には、気候変動の影響で移住を余儀なくされる気候難民の対策も重視されています。


SDGsの達成には豊かな地球環境が欠かせません。


今回の報告書には科学的根拠のみが述べられており、政策や行動の変容についての提案/提言は含まれていません。この報告書を基に、市民社会や政策決定者を含むすべてのステークホルダーが社会のあり方を議論することが重要だと考えます。


(SDGsジャパン事務局 久保田将樹)


<参考:IPCC AR6 WG1 SPM


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