[SDGs Runners]ブリッジエーシアジャパン

SDGsジャパン会員団体のSDGs達成への取り組みを紹介するSDGsRunners。正会員団体の特定非営利活動法人ブリッジ エーシア ジャパンの事務局長新石正治さんより、同団体のSDGsの達成に向けた取り組みについてご紹介いただきました。

 

ベトナムの活動からSDGsを考える

認定NPO法人ブリッジ エーシア ジャパン事務局長新石正治


わたしたちブリッジ エーシア ジャパン(BAJ)がベトナムのフエで取り組んでいるのは、子どもたちへの環境教育と零細農家の収入向上支援です。



急激な経済発展を遂げるベトナムでは、大規模な開発がもたらす地域の自然環境への影響が注目され始めています。BAJの活動としては、古くは90年代に公害についての日本の経験を行政関係者に伝える事業からはじまりましたが、30年経った現在は子どもたちが楽しく環境問題を学べるような体験型授業をフエの小中学校でおこなっています。2020年10月にはベトナム中部で数十年来の大きな洪水被害が発生し、人々のあいだに気候変動への関心が一層高まりました。子どもたちに「自分たちの住む地域の課題はなんだろう?」と問うと、はじめに上がるのが「プラスチックゴミの問題」、つづいて「気候変動」です。子どもたちも強い危機意識を持っています。


一方、農家支援ですが、そもそも「小農」は大規模な生産と流通が優位になる社会では、経済的に厳しい状況に追い込まれていきます。時代の趨勢に身をまかせてしまうのは、それこそ「もったいない」。都市の発展とともに地元の小さな農業を守っていくことは、食文化の伝統を守る観点だけではなく、環境保全の観点からも重要です。なぜなら、地域の小さな農家たちは畑の野菜やいろいろな生きものを育てることで、ふるさとの風景を保全してくれている存在でもあるからです。農家が作り出してきた風景は人間と自然との調和の証です。だからこそ、どこか心地よく懐かしく感じられます。



…と、そんな話までいかなくとも、ゆたかな社会になっていく過程で、ベトナム社会でも食品のスキャンダル(生産地偽装や禁止農薬の発覚)がメディアを賑わすようになり、少なくない消費者たちの食品に対する意識が高まっています。生産者の顔の見える地元の野菜や肉を少々高くても買いたいという人々が現れ始めました。


そうした背景のなか、BAJは2016年に地元の零細農家グループの直売所を開店し、運営してきました。おかげさまで好評を得て、2022年現在ではわたしたちと似たようなコンセプトのお店が街に10店舗ほど出来てしまい、元祖の我々としては複雑な心境です。


環境問題は、気候変動による災害や食品の安全など、生存の問題と直結するときに人々のあいだで大きな力を得るようです。しかし、わたしは生存の問題だけではなく、環境問題が持つ文化や価値観の問題(社会のあり方の多様性)に注目したいと考えています。SDGsでいえば、わたしたちのベトナムの活動は、SDGs12「つくる責任 つかう責任」(持続可能な生産と消費)であると同時にSDGs15「陸の豊かさも守ろう」(環境保全)でもあります。両方とも大事で、両方ともが揃わないと、わたしたちが実現したい社会のあり方は持続可能じゃないのだろうと思います。なにを持続させたいのかが重要です。生存することは大前提ですが、それだけではなく、わたしたちは、ぜひこの先の世界にも残っていてほしいと心から思える価値を持続させたいのです。




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