[SDGsRunners]教育協力NGOネットワーク(JNNE)

SDGsジャパン会員団体のSDGs達成への取り組みを紹介するSDGsRunners。正会員団体であり事業統括ユニットのひとつ、教育ユニットの幹事団体でもある教育協力NGOネットワーク(JNNE)の事務局長と務められている三宅隆史さんより、同団体のSDGsの達成に向けた取り組みについてご紹介いただきました。

 

緊急時における教育支援を


教育協力NGOネットワーク(JNNE)事務局長 三宅隆史


SDG4(教育目標)のターゲット4.1は、「2030年までにすべての子どもが高校を卒業すること」です。世界全体の中等教育の就学率は84%にまで改善しています(2019年)。しかし、この目標の達成は、長期化する紛争のために危ぶまれています。上記の数字を難民の子どもと比べてみると、難民の子どもの中等教育の就学率は世界全体で24%、低所得国だはわずか12%で、世界全体の84%と大きな格差があります。数でみると、世界には2憶5000万人の学校に行けない子どもがいます。このうち51%にあたる1億2700万人の子どもは紛争の影響を受けている子どもたちです。


緊急時には、衣食住の支援が優先され、教育は後回しにされがちです。実際、世界の人道支援予算のうち教育にはわずか2.3%しか配分されていません。ではなぜ災害や紛争下において教育は重要なのでしょうか。第一に、教育は子どもを保護します。学校や遊び、スポーツは安全で見守られた環境を子どもに提供します。また組織化された教育活動に参加することは、子どもたちに安心感を与えます。例えば、学校に毎日行くことのような日課ができることで、家族に日常感が戻り、親の子どもに対する心配も軽減されます。また教育は、地雷やHIVエイズ回避についての情報やコレラや水を媒介する疾病から身を守るための知識をひろめることができます。さらに、子どもが薬物密売や軍隊への勧誘、人身売買にさらされやすいかを監視しあうことができます。


第二に、親自身が子どもの教育を求めています。私はアフガニスタンでパキスタンからほぼ強制的に帰還させられた難民への食料や生活必需品を支援する事業に従事したことがあります。事業後のインタビューで多くの住民が答えたのは、「食料の支援はありがたい。でも子どもが教育を受けられないでいるのがとても心配。子どもには私とちがって教育を受けてほしいから」というものでした。どんな苦しい状況にあっても親は子どもの発達と幸せを願っており、そのために教育は不可欠なのです。


第三に、教育は権利です。子どもの権利条約、世界人権宣言、難民条約などに。このことは明記さられています。2010年の国連総会は「緊急時における教育への権利」と題する決議を採択しました。どのような状況下においても教育はすべての子ども、若者、成人に保障されるべき権利なのです。


教育協力NGOネットワーク(JNNE)が加盟しているSDG4達成のための市民社会組織の世界組織であるGlobal Campaign for Education(初代会長はノーベル平和賞を受賞したカイラシュ・サティーアーティーさん)は、今年、Protect Education in Emergencies Nowというキャンペーンを実施しています。キャンペーンは、以下の事をよびかけています。第一に人道支援における教育予算の割合を増やすことを、G7諸国にうったえています。すでにEUは人道支援の10%を教育にあてることを誓約しました。第二に人道支援において教育を専門的に支援する多国間機関であるEducation Cannot Wait(ECW)への拠出を先進国が増額することをよびかけています。G7諸国のうち日本とイタリアだけがECWにいまだに拠出を行っていません。第三に紛争時に学校を攻撃の対象としないこと、学校を軍事拠点としないことを誓う「学校保護宣言」への賛同を日本を含む各国政府に働きかけています。


日本では「SDG4教育キャンペーン」という名称で、各政党にSDG4についての政策を聞き、どの政策がいいと思うか市民が投票するという活動を5月31日まで実施しています。投票結果は子どもと若者が、院内集会で発表し、議員と意見交換を行います。ぜひ市民投票にhttps://www.jnne.org/sdg2022/ からご参加ください。




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