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[SDGs Runners]DPI日本会議

DPI日本会議副議長、中西由起子



SDGsジャパン会員団体のSDGs達成への取り組みを紹介するSDGsRunners。正会員団体であり、障害ユニットの幹事団体でもある認定NPO法人DPI日本会議で副議長を務められ、SDGsジャパンの理事でもある中西由起子さんより同団体のSDGsの達成に向けた取り組みについてご紹介いただきました。


 

DPI 日本会議は1986年に、障害者の国際的ネットワークであるDPI(障害者インターナショナル)の日本国内組織として発足しました。障害者自身から成るクロス・ディスアビリティの組織には、現在約100団体が加盟しています。地域の声を集め国の施策へ反映させ、また国の施策を地域へ届け、教育、ジェンダー、アクセシビリティ、地域生活、雇用・労働などの分野で権利擁護を展開してきました。国際的には途上国の障害当事者団体の育成、被災障害者の支援、感染症予防の啓発活動、そして自立生活運動の普及です。


MDGsの時から障害分野を代表して国内での推進に参加し、それが今の組織内でのSDGsへの関心の高さにつながっています。年に一度の障害の分野からSDGsを考える分科会での障害者権利条約の観点からの討議の他に、適宜勉強会も開催しています。


SDGs関連の活動で特筆すべきことは、各目標に対するDPIの取り組みを列記し、随時バージョンアップしていることです。初めにワークショップで活動と目標の関連づけを行った際には、全てに関連しているとする意見もありましたが、直接関連する以下の8目標での取り組みを取り上げ、ウエブでも発表しています。


目標1. 貧困をなくそう

基本的生活を保障する水準に達していない障害基礎年金、狭い支給範囲、在日外国人をはじめとする無年金障害者の問題での所得保障の改善。


目標3. すべての人に健康と福祉を

アフリカのリーダーを育成しても健康や医療が不十分で若くして亡くなる現状や、かたや日本で医療が発展していても重度障害ゆえに家族などの負担を懸念し死を選択する現状に対して、必要な医療や介助が受けられるよう、法律や制度改正、啓発などによる「尊厳生」の推進。


目標4.質の高い教育をみんなに

「同じ学校、同じ教室で」育ち学ぶことを基本とした教育の普及、保護者の付き添いの強要の禁止、合理的配慮の提供による学習環境の整備、小学校就学前後での福祉と教育の連係の在り方の検討によるインクルーシブ教育の推進。


目標5. ジェンダー平等を実現しよう

強制不妊手術被害者への謝罪と賠償を求める運動、組織内での障害女性のエンパワーメントや複合差別に課する研修、障害女性における「性と生殖に関する健康/権利」の実現。


目標8. 働きがいも経済成長も

一般就労での公的制度として合理的配慮の確保、一般就労との格差・矛盾が大きい福祉的就労の改善、社会的雇用に関する国の取組みの要請。


目標10.人や国の不平等をなくそう

国会や地方議会で障害者の議席を確保する選挙制度等の改正、障害者議員の活動が保障される環境整備、所得保障の確立、差別事例の全国調査、多様な人々の声を反映した法制度の実現。国外では、途上国の障害者の生活環境の改善。


目標11. 住み続けられるまちづくりを

乗車拒否の実態調査に基づいた国交省への政策提言、公共的施設のバリアフリー化、小規模店舗、学校、避難所等のバリアフリーの義務化、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機とするバリアフリー整備やユニバーサルデザイン計画の策定、公営住宅と民間賃貸集合住宅でのバリアフリー物件確保の義務化。ユニバーサルな仮設住宅の提案や、大規模災害発生時における「障害者支援センター&救援本部立ち上げマニュアル」作成などの防災対策。


目標17.パートナーシップで目標を達成しよう

世界DPIの構築強化により障害者が一つの声となり他のステークホルダーと協力しSDGsの啓発・実施。アフリカ、アジアや中南米の途上国の障害者、特に重度障害者に自立生活運動を通してエンパワメントと自立生活のスキルを伝達。


私たちは当事者団体として多くの声を発し、聞き入れられてきましたが、SDGsジャパンで問題点を指摘するのは多くの場合支援者であり、代弁者であることが気がかりです。当事者団体の参加を奨励するとともに、是非当事者が登場する場を増やしてほしいと願っています。


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