若者が描くジェンダー平等の未来

今回は、タイトルに「若者が描くジェンダー平等の未来」と掲げました。「でも、若い人たちって、ジェンダー平等に興味はあるの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。


あるのです。それも、思ったよりもずっと。

それを示したのが、30歳以下の若者たちの手による「#男女共同参画ってなんですか」というプロジェクトでした。

このプロジェクトは、第5次男女共同参画基本計画の2020年中の策定を目指し政府が募集したパブリックコメント(パブコメ)に対し、若い世代から意見を提出するよう呼びかけ、計画に若い世代の声を入れることを目的として、公益財団法人ジョイセフが支援して2020年7月に始まりました。


最初は若者も一人だったプロジェクトも、次第に周囲を巻き込み、賛同団体も32に増え、それぞれがSNSや勉強会などを通じてパブコメを呼び掛けました。その結果、1カ月半の間に、なんと1,000を超える意見が若者から寄せられたのです。若者が企画した勉強会への参加も延べ600人以上、SNSのフォロワーも1,700人以上と、予想を上回る若者からの反響がありました。


プロジェクト成功の鍵は、若者が、若者のセンスで呼びかけたことです。インスタグラムでは、シンプルで簡潔な表現やグラフィックを使って、わかりやすく政策を解説。パブコメ募集もSNSを通じて呼びかけ、自分たちの作ったメールフォームに誘導するなど工夫もしました。「パブコメには投稿しづらいけれど、自分と同じ若者がやっているなら安心して声を上げられる」という敷居の低さも、多くの意見が寄せられた要因でしょう。


政府も今までにない若者のコミットを歓迎。このプロジェクトに関わった様々な団体を代表する若者の有志9人が直接、橋本聖子男女共同参画担当大臣に面会し、ユースからの提言を手渡して意見交換しました。



ユース提言には、就活セクハラなどの身近な課題から、選択的夫婦別姓、同性婚、理工系人材、包括的性教育、避妊・人工妊娠中絶、デートDV、ジェンダーの多様性、防災などといった社会的な課題や、国や地方の意思決定機関へのユースの参画、パブコメを出すハードルの高さなどの政治参加の方法に至るまで、さまざまな課題が含まれています。


このユース提言は、大臣に出されただけでなく、男女共同参画会議の第5次基本計画策定専門調査会に正式な資料としても配布されました。若者の積極的な提言活動は、専門調査会および政府内で若い世代の声を反映しようという機運をさらに盛り上げ、夫婦別姓選択制や緊急避妊薬の薬局販売解禁などに向けた動きを後押しすることにも繋がりました。


こうした反響を受け、本プロジェクトを実施した若者の一人は、「ユースの意見を形にして伝えることの大切さを今回のことで強く意識するようになった」と語っています。もともとこのプロジェクトは、若者が自分たちの力で企画・実施することで、若者自身がもっと政策に関わる力をつけること、若者のエンパワーメントも目的としていますので、こうした発言を聞くことが出来るのは嬉しい成果です。


SDGsの目標5として掲げられているジェンダー平等。今年は、ジェンダーに関する最も包括的かつ国際的な取り組みを決めた北京女性会議から25周年に当たります。その象徴的な年に、若者たちが声を上げ、社会に向かって行動を起こしたことは、これからの日本のジェンダー平等にとって希望の光となることでしょう。国際社会では、様々なシーンで、既に10代や20代の若者が、政策提言の中心として活躍しています。日本でも、もっと多くの若者からジェンダー平等に向けた政策提言に参加してほしいと願っています。


最後に「#男女共同参画ってなんですか」プロジェクトの若者からのメッセージを紹介します。

「今回の活動を通じ、一人でも多くのユースに共鳴していただけたらいいなと思っています。そして伝えたいのは『あなたは一人じゃないです』ということ」



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公益財団法人ジョイセフ アドボカシー・グループ


このメッセージは日経BPが運営する「未来コトハジメ」でメルマガ登録をされた方へ2020年11月19日付で配信されたエッセイを加筆修正したものです。