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【SDGs Blog】開発協力大綱見直しとSDGs

SDGsジャパン代表理事の大橋正明のエッセイ「開発協力大綱見直しとSDGs」が公開されました。

※本エッセイは12月22日に発行されたメールマガジン「未来コトハジメNEWS」の巻頭コラム「ミラコト・サロン」に寄稿された原稿を加筆修正したものです。

 

今年9月初め、新聞各社は「日本政府は、安全保障を強化するために開発協力大綱を見直す」ことを報道しました。この記事を目にした筆者は、「日本はさらに一歩、SDGsの実現から遠のくのか」と暗い気持ちになりました。安全保障強化に向けた開発協力大綱の見直しとSDGsが一体どんな関係があるのでしょうか。


開発協力大綱とは、主に日本政府が開発途上国の開発のために提供する援助、いわゆるODA(Official Development Assistance, 政府開発援助)の基本方針を定めるものです。


筆者が関わっていたNGOは、人類の平和共存や人権確立などの基本方針を盛り込んだ「国際協力基本法(あるいはODA基本法)」を国会で制定し、国会議員が関与するODAを実施すべきと長らく主張していました。しかし日本政府はこれを嫌い、行政府だけでODAを柔軟に実施するために、「ODA大綱」を1992年6月に閣議決定しました。今から考えるとこの大綱はまだまともなものでしたが、2003年8月に改訂されたものは、途上国より日本の「国益重視」が強調され始めました。


2015年に行われた二度目の見直しでは、ODAは日本の安全保障と経済成長に資するものという位置づけで国益がさらに強調され、名称も「開発協力大綱」に変更されました。そして今回、国際関係の急速な変化に対応するためにODAを日本のために一層戦略的に使うことを目的に、改訂が行われようとしています。


SDGsの実現を目指すNGOとして、日本のODAはこの地球で誰も取り残さない持続可能な発展、つまり狭量な国益ではなく理想的な地球益を推進するものであってほしい、と強く願っています。


SDGsのゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」のターゲット17.2は、先進国のODAはGNI比0.7%にすることを求めています。実はこの数値は1970年の国連総会で決まり、SDGsの前身であるミレニアム開発目標(MDGs)でも掲げられていましたが、MDGs最終年となる2015年の先進国(DAC)のODAのGNI比平均は0.3%、日本は僅か0.2%で、実現には程遠い状況にありました。


昨21年のこの割合は、DAC平均が0.33%(前年も0.33%)、日本はコロナ支援を増強したために0.34%(前年は0.31%)と少し健闘しました。しかし目標の0.7%の半分にも及ばないし、さらにその使途が今後一層日本の国益重視になるのです。さらに一部のNGOは、日本のODAが軍事的目的に使われることへの歯止めがない、と指摘しています。


この記事を目にした筆者が暗澹な気分になった理由、少しはご理解頂けたでしょうか?

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